ホラー漫画・怖い漫画おすすめ29選～【圧倒的恐怖】心霊・パニックホラー・怪談漫画まで～

零 影巫女

「超常現象カメラマン」を名乗る男に見せられた一枚の写真をきっかけにして、女子大生の鷲月沙羅は小学校時代の親友が行方不明になった“とある事件”と向き合うことに。「影巫女」と呼ばれる除霊師の末裔でもある沙羅は、そこが悪霊の巣窟となっていることを感じ取りつつ、はからずもゼミ合宿の訪問先となった母校へと足を踏み入れます……。
和風ホラーゲーム『零』を基にしているだけに、主人公がキーアイテム「射影機」を駆使する原作お馴染みのアクションは踏襲しつつも、そのプレイ経験を問わずハラハラさせるオリジナルストーリーが展開していきます。沙羅たちは悪霊の檻と化した校内から脱出できるのか、散りばめられた謎解きも相まってページをめくる手が止まりません。

死人の声をきくがよい

“死んだ人間の姿が見える”高校生の岸田純は、幼なじみの同級生だった早川涼子の霊に憑かれて以来、無表情ながら無感情ではない彼女が常に傍にいる日々を送っています。その霊能力と持ち前の不幸体質が呼んでいるのか、はたまた呼ばれているのか。折に触れて怪異と遭遇してしまう純は、そのたびに涼子の無言の囁きに助けられることに……。
作者いわく“主人公の男の子が幼なじみの幽霊やらいろんな女の子に囲まれてキャッキャウフフ”な内容を目指したという物語は、じっとりと恐怖心をあおる絵柄でありながら、おぞましい描写の中にコミカルな一面も。事件事故から怪奇現象、都市伝説にオカルトまで何でもござれの「正統派ホラー」でありながら、巻き込まれ系の純がはぐくむ人間関係が読み手のワクワクも引き出してくれるおすすめホラー漫画です。

地縛少年 花子くん

かもめ学園の旧校舎3階、女子トイレの3番目には花子さんがいて、呼び出した人の願いを叶えてくれる……。そんな、学園の七不思議に身を委ねたオカルト少女の八尋寧々の前に現れたのは、男の子の幽霊“花子くん”でした。恋愛成就のために花子くんを呼び出し、そんなこんなで彼と契約することになった寧々は、助手として様々な怪談に巻き込まれることに……。
2020年冬のTVアニメ化も話題となった作品。可愛らしさと不気味さを両立した絵柄でラブコメチックに掛け合ったかと思えば、メリハリのある表情やアクションで魅せるべきところはきっちり魅せてくれるホラー漫画です。その絶妙なバランス感と、テンポの良いやり取りで進行するハートフルな物語は、飄々とした花子くんさながら気付けば心に入り込んでいるはず。

幽麗塔

昭和29年の神戸。自堕落な日々を過ごしていた天野太一は、謎の美青年に「幽霊塔」と呼ばれる時計塔の管理人の仕事を譲られました。いざ塔へと向かった太一は、何者かに襲われ死の寸前まで追い込まれるも、再びその美青年――沢村鉄雄に救われることに。「金も名誉もすべて手に入る」という鉄雄の誘いを受け、太一は巨大な金庫だという「幽霊塔」を取り巻く冒険へと足を踏み入れていきます……。
『医龍』の乃木坂太郎による美麗な筆致、そして昭和中期のノスタルジックな雰囲気に惹かれる読み手は多いはず。かの江戸川乱歩も魅了され自ら改変した、英国作家の翻案小説『幽霊塔』が下敷きにあるというミステリ要素でもしっかり魅了してくれる漫画です。男装の麗人である鉄雄を中心にした人の在り方に対する問いかけも、物語に奥行きをもたらす重要なテーマです。

さんかく窓の外側は夜

「霊を視る」能力に長けながらそこから目をそらすように書店員をしていた三角康介は、「運命の出会い」とうそぶく除霊師の冷川理人にその才能を見い出され、無理やりコンビを組まされることに。康介は凄腕ながら情緒や生活能力に欠ける理人の助手として、日常に潜む恐ろしくかつ不思議な現象を解決する“物件鑑定特殊清掃”に励んでいきます……。
実写映画化でも盛り上がる、心霊探偵バディの除霊ミステリー漫画。流されやすい康介と強引な理人の掛け合いは、そのちぐはぐな凸凹っぷりが面白く、それでいてブロマンス的な距離感でやきもきもさせてくれるという絶妙な塩梅です。もちろん、康介の目を通して見えてくる心霊要素の怖さにも抜かりはなく、除霊に至るまでのストーリーでもしっかり読ませてくれるホラー漫画です。

双亡亭壊すべし

東京の沼半井町には、大正時代よりそびえ立つ「双亡亭」という幽霊屋敷があります。その隣に住む売れない絵描きの凧葉務は、屋敷の一角に引っ越してきた少年・立木緑朗と仲良くなった晩、双亡亭の異変と自衛隊による双亡亭への爆撃に相次いで遭遇。父を失った緑朗のことを気に病む務は、緑朗の姉・柘植紅らとともに双亡亭の破壊作戦に身を投じることになります。その一方で、緑朗も突如現れた“務のムズカシイ関係の親類”である凧葉青一とともに敵討ちへと動き出し……。
『うしおととら』や『からくりサーカス』の藤田和日郎が、タイトルそのまま“双亡亭壊すべし”の合言葉で読み手ともども幽霊屋敷の冒険へと引き込んでくれるスペクタクル･モダン･ホラー。“特別製で抜群に奇妙”な「双亡亭」の底知れぬ脅威と謎、そして圧倒的な熱量で書き込まれた迫力のアクションが、グイグイと興味をかきたてる最新作マンガです。

バベルハイムの商人

人間と人間でないものをつなぐ「運命金貨」。手に入れたが最後、世界中に潜む悪魔と精霊たちに目を付けられ、彼らの交易世界に永遠に組み込まれてしまうという代物です。今夜もそんな「常世の国（バベルハイム）」の扉を叩く音を聞きつけ、金貨と引き換えに客の願いを叶える商品を取引する吸血鬼の商人、ユージン・グリフィスが現れます……。
どこまでも冷静で余裕の笑みを絶やさないユージンと出会い、“願い”に身を焼かれていく人々の行く末にはダークな爽快感を覚えつつ、同時に身につまされる思いも。繊細かつ蠱惑的な画面の中にあって、身の丈に合わない力に目が眩んだ表情はより醜く脳裏にこびりつきます。人間の本質はどこにあるのか、その問いかけが光るおすすめのホラーマンガ作品です。

青野くんに触りたいから死にたい

高校2年生の刈谷優里ちゃんの彼氏は、付き合って2週間で交通事故死してしまった“青野くん”こと青野龍平くんです。死後、幽霊となって現れた青野くんとそのまま交際し続けることを選んだ優里は、取り憑く彼に生前と変わらぬ愛を捧げ、深めていきます。しかし、一方の青野くんは態度を豹変させて優里に憑依するなど、ときおり不穏な様子を見せ始め……。
「青野くんのそばにさえいられれば他には何もいらない」と言い切る優里の一途な姿には、せつない感情を覚えつつピュアな狂気も感じてしまうはず。絶対に結ばれることのない、絶対に叶うことのない恋に生きる優里の天然で切実な振る舞いが、純愛の入り口から狂信の迷路へと迷い込ませてくれます。その恋の行く末を軸に、ミステリー要素でもページをめくらせる新感覚のホラーラブストーリーです。

地獄先生ぬ～べ～S

「ぬ～べ～」こと鵺野鳴介は、妖怪、霊、怪奇現象が多発する童守町にある、童守小学校5年3組の担任教師。普段はドジで貧乏でモテないお調子者ながら、実はすごい能力を持っています。愛する生徒たちがひとたびピンチになれば、無敵の武器「鬼の手」で命を懸けて戦う、日本唯一にして最強の霊能力教師なのです……。
アニメ化されたシリーズ第1作もいまだ根強い人気を誇る、「最強ジャンプ」にて連載中のシリーズ第3作。教え子たちが巻き込まれる怪異に体をはって立ち向かう、心強いぬ～べ～の活躍は新旧ファンとも安心して見届けられます。コミカルやお色気といったシリーズお馴染みの要素とともに、「VR」や「YouTuber」を取り入れた新時代ならではの悪霊も見どころのホラーマンガです。

絶叫学級

「ようこそ、恐怖の授業へ！」女の子の幽霊である黄泉が案内してくれるのは、何気ない日常の中で大きく口を開けて待っている、様々な“もう1つの世界”です。拾ったゲーム機が地獄に繋がる「悪魔のゲーム」、“憎しみ”で結ばれた少女たちの血塗られた復讐を描く「呪いの絆」。一歩間違えればすぐに迷い込んでしまう、恐怖の世界の次の主人公は……。
“恐怖の授業の案内人”としてストーリーテラーを務める黄泉の語りを入り口に、何気ない日常に潜む悪意や恐怖が描かれていきます。少女向けマンガ雑誌「りぼん」の掲載作品らしい可愛らしいタッチの中だけに際立つ、主人公の女の子たちに迫る怪異の描写はインパクト絶大。読みやすくもしっかり怖い、どこからでも手に取れるホラーオムニバス漫画です。

モンキーピーク

“鬼の猿が住む”という「鬼猿岳」こと岩砕山を望む山にて、薬害の風評被害から苦境に立たされている「藤谷製薬」の社員たちは、結束を高めるための登山レクリエーションに励んでいました。その初日の夜、猿の鳴き声のような音に気付いた主人公の早乙女は、ナタを持つ異形に遭遇。さらに、悲鳴を上げ助けを呼ぶ同僚たちのもとへ駆け寄ると……。
実写映画化された『凍牌』で知られる志名坂高次が原作、青春バレー漫画『不沈アタッカー』の粂田晃宏が作画を手がける山岳パニックホラー。不穏な導入がそのままショッキングな惨劇に繋がり、事態は悪い方へ悪い方へと転びます。極限の状況下、怪物への恐怖が人間関係のねじれとさらなる悲劇を誘発するさまは、誰もの怖いもの見たさを煽るはず。

5分後の世界

マザーグール

見える子ちゃん

女子高生のみこは“見える”子。ある日突然、普通の人には見えない異形の存在が見えるようになってしまったのです。おはようからおやすみまで所構わず現れる“ヤバいやつ”に対し、みこは逃げるでもなく立ち向かうでもなく、精一杯シカトすることでやり過ごそうとしていくものの……。
「怖いようで怖くない」の謳い文句どおり、異形の存在を怖がりつつも必死に平静を保とうとする主人公みこのリアクションが見どころ。おどろおどろしい“ヤバいやつ”と、みこや見えない友人らの絵柄のギャップも、いわば「怖がってはいけない」日常をコミカルに盛り上げます。その一方で、“見える”ことが悪い方にばかり働かないのも物語のエッセンスです。

伊藤潤二の猫日記　よん＆むー

社畜と幽霊

アイアムアヒーロー

深夜、妄想上の後輩に講釈を垂れ、闇と静寂の中で恐怖と闘ったのちに「アイ アム ア ヒーロー」と自分に言い聞かせる……。頭の中でしか現実に勝てない鈴木英雄は、仕事にも彼女との仲にも不安と不満を募らせる日々を送る、35歳の冴えないマンガ家アシスタントです。しかし、そんな英雄のしがない現実はある日突然壊れ、姿を変えていくことに……。
ゾンビのような外見と習性をもたらす奇病の脅威がゆっくりと忍び寄る、第1巻の全編にわたる導入が日常と“ZQN（ゾキュン）パニック”の非日常を丁寧に接続します。主人公は『ルサンチマン』や『ボーイズ・オン・ザ・ラン』にも通じる、花沢健吾ならではのヘタレな“ダメ男”。けしてヒーローではないヒーローには、誰しも想いを重ねる部分があるはずです。

ゾンビ屋れい子

“ゾンビ屋”を職業とする姫園れい子は、魔王サタンの力を借りて死者をゾンビとして蘇らせることができる女子高生です。死者に真実を語らせることで報酬を得ていた彼女はその仕事のさなか、平和な白池町で発生している幼女ばかりを狙った連続殺人事件の捜査に関わることになり……。
「死せる者が飲みこみし真実を聞きとげる」ために力を振るうれい子の仕事人ぶりが爽快な第1巻の、衝撃的なラストの勢いそのままに第2巻を読み始めると、それまでのエピソードがあくまでもイントロダクションに過ぎなかったことが分かるはず。ホラーにバトルアクション、コメディ、お色気を全部乗せした、“残酷エンターテイメント”が無限の広がりを見せていくホラー作品です。

血の轍

「過保護」と揶揄されるほど距離が近く、スキンシップの多い母親の静子。中学2年生の長部静一は、そんな彼女から溺愛されつつ平穏な日常を送っており、夏休みには両親や親戚とともに山登りへ出かけることになりました。旅先でも静子に目を配られっぱなしの静一でしたが、彼女の“ある行動”を目にしたことから思春期が激変していくことに……。
『惡の華』『ハピネス』『ぼくは麻理のなか』と人の内に眠る狂気や欲望を描き出してきた押見修造が、最新作では「毒親」というテーマにたどり着きました。究極の偏愛に心身を縛られ崩されていく静一、そしてその眼差しの先に佇む静子の表情のひとつひとつが、読み進めるごとに心の奥底に巣食い、ザワザワと落ち着かないもので蝕んでくるようです。

外れたみんなの頭のネジ

ゼロから始める事故物件生活

「ボク、事故物件住みます――!!」事故物件に住む番組企画に立候補した芸人の松原タニシは、大阪のミナミ近くにある“いわくつき”のマンションに引っ越してきました。連続殺人事件の舞台になった部屋があるというその物件で、新生活のスタート当初は不安や違和感を忘れつつあったタニシでしたが、あくる日まわしていたビデオカメラを覗くと……。
実写映画版においても原作となっている、タニシ本人による実話怪談集『事故物件怪談　恐い間取り』の漫画化。彼が実際に事故物件に住むことで遭遇した恐ろしい出来事が、その身近な目線によって疑似体験するかのように身に迫ってきます。“事故物件住みます芸人”にやりがいと活路を見い出す、売れない芸人の奮闘記としての面白さも見どころかも。

赤異本

ツーリングに出かけた青年が山で異様な廃屋を見つける「木の立ちふさがる家」、撮影現場に現れた不気味な女とそれを撮った元AV監督の男にまつわる「AV女優」、謎の少女を見るようになった主婦が遠い記憶を呼びさます「動かぬ少女」……。輪になって座る人々は「百物語」にのっとり、“本当の”体験談を語っては目の前のロウソクを吹き消していきます……。
『鬼畜島』の外薗昌也による実話怪談集を、『恐之本』の高港基資がコミカライズ。まさに“ホラーマンガ界の最恐コンビ”とでも言うべき組み合わせが手がけた、ドロドロとおぞましい世界に導いてくれるオムニバスです。それは都市伝説なのか霊の呪いなのか、それとも……。実は隣に潜んでいるかもしれない恐怖が、背後まで生々しく忍び寄ります。

ガンニバル

屍鬼

Ａｎｏｔｈｅｒ

背の眼

死国