ほとばしる青春をラップにノセて歌いあげろ!
ラップといえばリア充。ラップといえばオラオラ系。言葉の定義はともかく、ラップとか根暗でコミュ障で社会不適合な人たちとは、もっとも遠い言葉だと思っていました。
ところが今作の主人公である高辻皐月は、メガネ、黒髪ロングで、引っ込み思案の根暗女子高生。
さらに彼女をラップバトル部に誘った同級生、レンも表面的には明るくやってますが、家庭環境など裏ではいろいろとありそうです。
でもそのレンが言います。
「“何かになりたい”ためのHIPHOPじゃねえ!!隠してる自分の“何か”を晒せっ!!」
本当はラップは、コミュケーションがうまくできない人にこそ、大きな武器となるものだったのです。
韻を踏むというルールの中で紡ぎ出す言葉が、音楽に乗ることで自分の隠れた思いをさらけ出していきます。
この作品で彼女たちが作る部活が、ただのラップではなく“ラップバトル部”なことも、大事な要素です。バトルだからこそ、彼女たちはより強制的に、無理やりひねり出してでも、言葉を吐き出さないといけないからです。
青春の光と闇に彩られた、魂の開放。リリックなテーマをラップにノセて、どえらい物語が送りつけられてきました。